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左利きは遺伝するのか?現在わかっていること

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リビング窓辺の木製テーブルに色鉛筆とスケッチブック、大人用と子供用の椅子が並ぶ情景、人物なし文字なし

この記事の結論

  • 左利きになるかどうかは、単一の「利き手遺伝子」だけで決まるわけではないと考えられている
  • 双子を対象にした研究から、遺伝の影響度(遺伝率)はおよそ2〜3割程度と推定されている
  • 40以上の遺伝子領域が関わる「多因子」の特性と考えられている
  • 両親がともに左利きの場合、子どもが左利きになる確率はおよそ26%程度という報告がある(必ずそうなるわけではない)
  • 遺伝だけでなく胎児期の環境なども関わっていると考えられており、家庭では矯正よりも環境づくりが今の一般的な考え方

「自分が左利きだから、子どもも左利きになるのでは」と考えたことがある親御さんは少なくないはずです。

あるいは自分自身、なぜ左利きに生まれたのか気になったことがあるかもしれません。

この記事では、左利きと遺伝の関係について、現時点でわかっていることを慎重に整理していきます。

なお、左利きそのものがどれくらいの割合で存在するかについては、別の記事で詳しく整理しています。

目次

1. 左利きは「遺伝子ひとつ」で決まるわけではない

かつては単一遺伝子説が有力だった時期もある

左利きの遺伝については、以前は特定の一つの遺伝子が利き手を決めているという説が有力視されていた時期もありました。

しかし研究が進むにつれて、話はそれほど単純ではないことがわかってきました。

現在は「多因子」の特性と考えられている

現在の研究では、利き手は単一の遺伝子ではなく、複数の遺伝子が組み合わさって影響する「多因子」の特性だと考えられています。
具体的には、約170万人のデータを分析した2021年の研究(Cuellar-Partidaら)で、左利きに関わる遺伝子領域が41か所見つかったと報告されています。
体の左右の非対称性(内臓の配置など)に関わる遺伝子が、利き手にも影響しているのではないかという見方もあります。

大人が1人、左手でペンを持ちノートに何か書いている俯瞰ショット、頭部が画面下端に写る構図、傍らにクレヨンの箱とくまの絵が描かれた紙が置かれ親子の情景を示唆

2. 双子の研究からわかった遺伝率の目安

一卵性双生児でも利き手が違うことがある

遺伝の影響を調べる方法としてよく使われるのが、双子を対象にした研究です。

一卵性双生児は遺伝的な情報がほぼ同じですが、片方が右利き、もう片方が左利きというケースも実際に報告されています。

遺伝率は約24%という報告

こうした双子研究の結果を積み重ねると、利き手における遺伝の影響度(遺伝率)は、おおよそ24%程度と推定されています(オーストラリアとオランダの約2万5千の双子家族を調べたMedlandらの2009年の研究)。

つまり、利き手の違いのうち遺伝で説明できる部分は2〜3割程度で、残りの7〜8割は遺伝以外の要因が関わっているという計算になります。

この数値はあくまで複数の研究を踏まえた一つの推定値であり、調査によって幅があることには留意しておきたいところです。

3. 両親が左利きだと、子どもは左利きになりやすいのか

遺伝率という抽象的な数字だけでなく、もう少し具体的な確率の目安も報告されています。

親の組み合わせ別、子が左利きになる確率の目安

家族を対象にした複数の調査をまとめたマクマナスとブライデンの整理(1992年)では、おおよそ次のような目安が示されています。

両親の利き手子どもが左利きになる確率の目安
両親とも右利き約10%
一方が左利き約20%
両親とも左利き約26%

両親がともに左利きの場合でも、子どもが左利きになる確率は4人に1人程度にとどまり、決して「必ず左利きになる」わけではないことがわかります。

子ども1人が左手でクレヨンを持ち紙に絵を描いている俯瞰ショット、頭部が画面下端に写る構図、クレヨンや箱に文字・ロゴなし

断定しすぎないほうがいい理由

ここで大切なのは、この数字を「そうなる運命」のように受け取らないことです。

両親がともに左利きでも右利きの子が生まれることは珍しくありませんし、逆に両親がともに右利きでも一定の割合で左利きの子は生まれます。

「両親とも右利きなのに、なぜ左利きの子が生まれるのか」と不思議に思う方もいるかもしれません。
これは、遺伝だけでなく、それ以外の要因も利き手の決定に関わっていると考えられているためです。

4. 遺伝以外に考えられている要因

胎児期の環境要因

遺伝率が24%程度にとどまるということは、残りの大部分は遺伝以外の要因によって説明されるということでもあります。

研究では、胎児期の子宮内での姿勢や環境といった、出生前の要因が関わっている可能性が指摘されています。

特定しきれない偶然の要素も大きいとされる

ただし、これらの要因を足し合わせても、利き手の違いのすべてを説明できているわけではありません。

現時点では、遺伝と環境の両方が関わりながらも、まだ特定しきれていない偶然的な要素も大きいというのが、比較的共通した見方です。

5. 家庭でできることは、矯正ではなく環境づくり

ここまで見てきたように、左利きは遺伝と環境が複雑に絡み合って決まる特性であり、親が意図的にコントロールできるものではありません。

だからこそ、家庭でできることは「左利きを右利きに直す」ことではなく、左利きのまま快適に過ごせる環境を整えることだと言えます。
具体的な家庭での工夫については、子供の左利きを伸ばす、矯正しない前提での家庭での工夫で詳しく紹介しています。

子ども用の学習机にはさみ・色鉛筆・定規が整然と並んでいる俯瞰の物撮り、人物なし

6. まとめ:遺伝率という数字にとらわれすぎない

遺伝率24%、両親とも左利きなら26%というような数字は、あくまで研究の中で得られた一つの目安にすぎません。
実際に子どもが左利きだとわかったときに大切なのは、確率の議論よりも、日々の生活でどう向き合うかです。


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この記事を書いた人

IT・Web分野を本業としながら、各種製品の公開情報を集めて比較整理するメディアを複数運営しています。

『左利きラボ』では、公開されている製品情報・実売SKUをもとに、左利きの方が「右利き用しかない」不便を解消できるよう、客観的な比較情報をお届けしています。

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